- S&P500とナスダック100両方はあり?
- S&P500とナスダック100の違いは?
S&P500とナスダック100は米国の代表的な株価指数であり、世界的に注目を集めるトップ企業を数多く含んでいます。
その一方で、それぞれが異なる構成や特徴を持っており、投資スタイルやリスク許容度によって最適な選択肢が異なります。
結論から言うと、両方ではなく、S&P500かナスダック100のどちらか片方を選ぶべきです。
本記事では、S&P500とナスダック100の違いや、どっちに投資すべきかについて詳しく解説します。
なお、S&P500やナスダック100に投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
| 証券会社 | 特徴 |
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S&P500とナスダック100両方はあり?
S&P500とナスダック100の重複割合
S&P500とナスダック100の組入上位10銘柄は以下のとおり。
| S&P500 | ナスダック100 | ||
|---|---|---|---|
| アップル | 6.9% | アップル | 8.9% |
| マイクロソフト | 5.9% | マイクロソフト | 7.6% |
| エヌビディア | 5.7% | エヌビディア | 7.2% |
| アマゾン | 3.8% | アマゾン | 5.5% |
| メタ・プラットフォームズ | 2.7% | ブロードコム | 3.5% |
| アルファベット A | 2.1% | メタ・プラットフォームズ | 3.4% |
| バークシャー・ハサウェイ | 2.0% | コストコ | 2.7% |
| ブロードコム | 1.7% | ネットフリックス | 2.7% |
| テスラ | 1.6% | テスラ | 2.6% |
| JPモルガン | 1.4% | アルファベット A | 2.4% |
S&P500は上位10銘柄が全体の33.8%、ナスダック100では全体の46.5%を占め、その上位10銘柄がほとんど同じです。
さらに、S&P500の中には多くのIT・テクノロジー銘柄が含まれ、ウエイトベースで集計すると全体のおよそ6割はナスダック100と重複しています。
サイト管理人一方のナスダック100も同様で、約9割がS&P500と共通しています。
両指数は別々に投資しているようで、実際にはかなりの部分が重なっているという点を理解しておくことが重要です。
どちらか片方を選ぶべき
S&P500とナスダック100の両方に投資するのはおすすめしません。



その理由は以下の3つ。
- 重複が多い
- 手数料がかさむ
- S&P500にもいずれ組み入れられる
①重複が多い
構成国や組入銘柄、業種が非常に似通っており、特に両指数のトップ10銘柄には共通する企業が多く含まれています。
業種別の割合を見ても、情報技術、コミュニケーション・サービス、一般消費財の3つが非常に高い割合を占めています。
そのため、同時に投資を行うと、特定の企業や業種への投資割合が高くなり、十分な分散効果を得ることは難しいです。
②手数料がかさむ
S&P500連動の投資信託は信託報酬が約0.1%と低めですが、ナスダック100連動型は比較的高めに設定されています。
【ナスダック100に連動する主な投資信託の信託報酬】
- ニッセイNASDAQ100インデックスファンド:0.2035%
- eMAXIS NASDAQ100インデックス:0.2035%
- インデックスファンドNASDAQ100(アメリカ株式):0.484%
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス:0.495%
この差は長期的に見ると運用成績に大きな影響を与える可能性があり、高い手数料によって得られるリターンが減少するリスクがあります。
これらを踏まえると、S&P500もしくはナスダック100のどちらか一方を選択することで、より効率的な運用が可能になるでしょう。
③S&P500にもいずれ組み入れられる
ナスダック100には、特にIT・テクノロジー分野の新興企業が多く含まれています。
こうした企業は成長のスピードが速く、将来的に業績や時価総額が一定の基準を満たすと、S&P500にも組み入れられるます。



つまり、ナスダック100で注目される成長企業が十分に成長するとS&P500の一部になるのです。
S&P500とナスダック100どっち?
メインの投資先であればS&P500
メインの投資先としてはS&P500がおすすめです。
S&P500に含まれる銘柄数は500であり、100銘柄しかないナスダック100と比較すると、対象となる企業数が大幅に多いです。
幅広い企業を対象としているため、特定の企業に依存するリスクを軽減でき、リスク分散の面で優れたインデックスと言えます。
さらに、業種においても全11業種にわたって幅広く構成されており、製造業や金融、ヘルスケア、エネルギーなどを含んでいます。
一方、ナスダック100は特にハイテクやIT関連の銘柄が中心で、情報技術、通信サービス、一般消費財などに集中しており、特定の業種に依存する傾向があります。



メインの投資先としてはS&P500の方が無難です。
補助的な投資先であればナスダック100
補助的な投資先であればナスダック100がおすすめです。
全世界株式などの分散が効いている投資信託とナスダック100を組み合わせることで、バランスの取れた運用が実現できます。
ナスダック100は、情報技術や通信サービス、消費財など成長性の高い企業が集まっているため、リスクが大きい一方で、高いリターンを期待できる投資先です。
特に長期的な視点で運用する場合、その成長ポテンシャルは大きな魅力となりますが、その分値動きが大きく、資産の変動リスクを背負うことになります。
そこで、分散の効いている全世界株式などをポートフォリオに取り入れることで、急激な相場の変動時にも安定した運用を維持できるでしょう。



ナスダック100におすすめの組み合わせについては後述します。
ナスダック100におすすめの組み合わせ
オルカンとナスダック100の組み合わせがおすすめです。
オルカンは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」という投資信託です。
全世界株価指数「ACWI」に連動するインデックスファンドで、先進国(23ヵ国)・新興国(24ヵ国)の株式約3,000銘柄で構成されています。


投資先の地域が幅広く、銘柄数も多いことから、オルカンはコアサテライト運用の「コア」に適していると言えるでしょう。
現在のオルカンは米国が全体の64.2%を占め、日本は5.0%、イギリスは3.3%となっていますが、新興国がさらに成長すれば比率は大きく変わります。
S&P500とナスダック100の比較
基本情報
| S&P500 | ナスダック100 | |
| 種類 | 株価指数 | 株価指数 |
| 構成銘柄 | 米国の主要企業500社 | ナスダック(NASDAQ)に上場している企業のうち、金融業を除く上位100社 |
| 指数の計算方法 | 浮動株調整後時価総額加重平均 | 浮動株調整後時価総額加重平均 |
【S&P500】
S&P500は、米国の代表的な株価指数の1つであり、米国の主要企業約500社の時価総額をもとに算出されています。



米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしており、米国の経済動向を反映する重要な指標として幅広く利用されています。
S&P500にはGAFAMなどの米国を代表する企業が含まれているため、S&P500に連動する投資信託に投資することで、米国の主要企業500社に投資するのと同じ効果を得ることが可能です。
S&P500に連動する投資信託として「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「楽天・プラス・S&P500インデックスファンド」などがあります。
【ナスダック100】
ナスダック100は、ナスダック(NASDAQ)に上場している企業のうち、金融業を除く上位100社から構成された株価指数です。
この指数は、ナスダック市場全体を代表するものではなく、ハイテクやIT関連の企業が多く含まれている点が特徴です。



そのため、ナスダック100は米国のテクノロジー・IT企業を中心とした株価指数とも言えるでしょう。
構成銘柄には、GAFAMといった世界的な大企業だけでなく、急成長を遂げている新興の中小企業も含まれています。
こうした構成の特性上、ナスダック100のリターンは、より幅広い業種をカバーするS&P500を上回る傾向があります。
構成国
| 国・地域 | S&P500 | ナスダック100 |
| 米国 | 100% | 98.4% |
| オランダ | – | 0.7% |
| 中国 | – | 0.6% |
| イギリス | – | 0.4% |
S&P500は米国の比率が100%であるのに対し、ナスダック100はわずかに米国以外の国が含まれています。
組入銘柄
組入上位10銘柄は以下のとおり。
| S&P500 | ナスダック100 | ||
|---|---|---|---|
| アップル | 6.9% | アップル | 8.9% |
| マイクロソフト | 5.9% | マイクロソフト | 7.6% |
| エヌビディア | 5.7% | エヌビディア | 7.2% |
| アマゾン | 3.8% | アマゾン | 5.5% |
| メタ・プラットフォームズ | 2.7% | ブロードコム | 3.5% |
| アルファベット A | 2.1% | メタ・プラットフォームズ | 3.4% |
| バークシャー・ハサウェイ | 2.0% | コストコ | 2.7% |
| ブロードコム | 1.7% | ネットフリックス | 2.7% |
| テスラ | 1.6% | テスラ | 2.6% |
| JPモルガン | 1.4% | アルファベット A | 2.4% |
若干異なりますが、組入上位10銘柄はどちらもほぼ同じです。
チャート
2001年〜2024年までのチャート比較は以下のとおり。


緑色の線がS&P500、青色の線がナスダック100を示しており、比較するとナスダック100の方が良いパフォーマンスを記録しています。
リターン
| 期間 | S&P500 | ナスダック100 |
| 過去5年 | 25.1% | 27% |
| 過去10年 | 14.4% | 18% |
| 過去15年 | 16.3% | 19.8% |
| 過去20年 | 11.8% | 15.3% |
| 過去30年 | 12.2% | 15.3% |
リターンとは?
リターンとは、ある期間における増減率を示す指標です。
年リターンが3%であれば1年間で3%増加、年利リターンが-3%であれば3%減少したという意味です。
リターンはナスダック100の方が大きいです。
業種
組入上位10業種は以下のとおり。


| S&P500 | ナスダック100 | ||
|---|---|---|---|
| 情報技術 | 30.73% | 情報技術 | 49.80% |
| 金融 | 14.45% | コミュニケーション・サービス | 15.60% |
| ヘルスケア | 10.78% | 一般消費財 | 14.10% |
| 一般消費財 | 10.51% | 生活必需品 | 6.00% |
| コミュニケーション・サービス | 9.46% | ヘルスケア | 5.70% |
| 資本財 | 8.33% | 資本財 | 4.80% |
| 生活必需品 | 5.88% | 公共事業 | 1.40% |
| エネルギー | 3.30% | 素材 | 1.40% |
| 公共事業 | 2.39% | エネルギー | 0.60% |
| 不動産 | 2.20% | 金融 | 0.50% |
各業種の特徴
【情報技術】
テクノロジー、ソフトウェア、ハードウェア、インターネットサービスなど
【ヘルスケア】
医薬品、バイオテクノロジー、医療機器、医療サービスなど
【一般消費財】
自動車、アパレル、レジャー、インターネットおよびダイレクトマーケティング小売など
【金融】
銀行、保険、証券、資産運用など
【コミュニケーション・サービス】
メディア、エンターテインメント、通信サービスなど
【資本財】
航空宇宙、防衛、建設、製造業など
【生活必需品】
食品、飲料、家庭用品、タバコなどの生活必需品を提供する企業
【エネルギー】
石油、ガス、エネルギー設備など
【公益事業】
電力、ガス、水道などの公共サービスを提供する企業
【不動産】
不動産投資信託や不動産開発、不動産運営を行う企業
【素材】
化学製品、建設資材、パッケージング、金属、鉱業など
どちらも情報技術の割合が高く、特にナスダック100は50%を超えています。
また、ナスダック100はS&P500と比べて極端に金融の割合が小さいのも特徴です。
S&P500・ナスダック100に投資する方法
S&P500・ナスダック100に投資する方法は以下のとおり。
- 証券口座を開設する
- 投資信託を選ぶ
- 投資信託を積立購入する
①証券口座を開設する
投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。



クレジットカードで投資信託を積立購入するとポイントが還元されます。
②投資信託を選ぶ
証券口座を開設したら投資信託を選びましょう。
投資信託とは?
投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつにまとめ、専門家(運用会社)が株や債券などに分散投資して運用する金融商品のこと。
例えば、S&P500に連動する投資信託を購入すれば、1つの投資信託でS&P500の構成する500の銘柄に投資することが可能。
また、投資信託の積立購入を設定すれば購入の手間も省けます。
S&P500におすすめの投資信託
おすすめの投資信託は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。
S&P500に連動する投資信託の中で純資産額がトップであり、国内の約6,000本の投資信託の中でも最大の純資産額を誇ります。
手数料はほぼ最安であり、リターンも指数とかけ離れることなく高い水準を保っています。
特にこだわりがなければ「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に投資しておくのが無難です。
ナスダック100におすすめの投資信託
おすすめの投資信託は、「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」と「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」です。
ニッセイNASDAQ100インデックスファンドは純資産額が大きくて手数料が安いことに加え、短いですが運用実績があります。
手数料は楽天やPayPay投信の方が安いですが、これらの投資信託は純資産額が少ないことに加え、運用実績がありません。



ニッセイNASDAQ100インデックスファンドに投資した方が無難です。
ただ、手数料が少し高くても運用歴が長くて安定している方が良いなら、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスを選ぶと良いでしょう。
③投資信託を積立購入する
証券口座を開設したら投資信託を積立購入します。
つみたて投資枠、成長投資枠とは?
新NISAでは、年間投資枠120万円の「つみたて投資枠」と年間投資枠240万円の「成長投資枠」が設けられています。
つみたて投資枠ではつみたて投資のみ行えますが、成長投資枠では一括投資とつみたて投資の両方が可能です。
そのため、つみたて投資に年間最大360万円あてることもできます。
なお、新NISAにおける非課税保有限度枠は1,800万円であり、最短5年で全ての枠を埋められます。
S&P500とナスダック100に関するQ&A


S&P500とナスダック100の違いは?
| S&P500 | ナスダック100 | |
| 銘柄数 | 500 | 100 |
| 構成銘柄 | ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している全業種から選定された大型株 | ハイテク・IT関連の銘柄が中心 |
| 指数の計算方法 | 株価の浮動株調整後の時価総額比率の加重平均方式 | 株価の浮動株調整後の時価総額比率の加重平均方式 |
S&P500は500銘柄で構成されており、金融、ヘルスケア、エネルギー、通信、消費財など、多岐にわたる業界の企業が含まれています。



そのため、S&P500は米国経済全体の動向を反映するバランスの取れた指数と言えます。
一方で、ナスダック100はナスダック市場に上場している企業100社から構成され、テクノロジー分野の企業の割合が高いのが特徴です。
その結果、ナスダック100はS&P500と比較して成長性が高い反面、特定の分野に集中しているため、リスクが大きくなる傾向があります。
S&P500とナスダック100を買うタイミングは?
長期投資前提なのであれば、今すぐ購入することをおすすめします。
S&P500とナスダック100は米国株で構成されているので、円安だと購入できる株数は減ってしまいます。
ですが、円安・円高などの為替リスクは今後も起こり得ますし、長期的な視点で見れば、これらの影響は一時的なものに過ぎません。
以下のチャートは、1996年〜2024年の米ドル/円の推移を示したもので、約30年で大きく上下していることが分かります。


政府や中央銀行の政策などによって為替は調整されるため、長期間にわたって見ると、上昇や下落が相互に影響し合い、全体としては相殺されることが多いです。
また、為替の変動は、需要と供給のバランスだけでなく、金利差や経済政策、国際情勢などの要因が複雑に絡み合います。
このような多様な要因が絡み合って為替の動きを形成するため、為替リスクを完全に避けることは非常に難しいです。
重要なのは購入するタイミングよりも長期間投資を行うことであり、円安や円高といった為替リスクは誤差の範囲に過ぎません。
まとめ
今回はS&P500とナスダック100どっちに投資すべきか両方はりかについて解説しました。
メインの投資先としてはS&P500がおすすめです。
S&P500に含まれる銘柄数は500であり、100銘柄しかないナスダック100と比較すると、対象となる企業数が大幅に多いです。
さらに、業種においても全11業種にわたって幅広く構成されており、製造業や金融、ヘルスケア、エネルギーなどを含んでいます。
ただ、補助的な投資先であればナスダック100がおすすめです。
全世界株式などの分散が効いている投資信託とナスダック100を組み合わせることで、バランスの取れた運用が実現できます。
ナスダック100は、情報技術や通信サービス、消費財など成長性の高い企業が集まっているため、リスクが大きい一方で、高いリターンを期待できる投資先です。
そこで、分散の効いている全世界株式などをポートフォリオに取り入れることで、急激な相場の変動時にも安定した運用を維持できるでしょう。
なお、S&P500やナスダック100に投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
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