- VTとVTIの違いは?
- どっちに投資すべき?
- 両方はあり?
VTとVTIは名前がよく似ている米国ETFですが、中身は大きく異なります。
本記事では、VTとVTIの違いやどっちに投資すべきかについて解説します。
なお、VTやVTIに投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を解説していない方はこれを機に開設しておきましょう。
| 証券会社 | 特徴 |
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VTとVTIの違い
| VT | VTI | |
| 名称 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF |
| 運用会社 | バンガード社 | バンガード社 |
| 種類 | インデックス | インデックス |
| ベンチマーク(目標とする指数) | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
VTとVTIの主な違いは「投資対象の範囲」です。
サイト管理人簡単に言うと、VTは全世界の株式に投資するETF、VTIは米国の株式に投資するETFです。
VTは約47ヵ国・約9,000銘柄に分散投資しており、先進国から新興国まで、世界中の企業を幅広くカバーしています。
一方のVTIは、米国に上場している約4,000銘柄をほぼすべて網羅しており、米国経済の成長にそのまま乗ることができるのが特徴です。
つまり、VTは「世界全体の成長に分散投資したい人」に、VTIは「アメリカの強さに集中投資したい人」に向いています。
VTとVTIの比較
構成国
組入上位10ヵ国は以下のとおり。
| VT | VTI | ||
|---|---|---|---|
| 米国 | 62.7% | 米国 | 100% |
| 日本 | 5.8% | – | – |
| イギリス | 3.5% | – | – |
| 中国 | 3.4% | – | – |
| カナダ | 2.7% | – | – |
| フランス | 2.3% | – | – |
| ドイツ | 2.2% | – | – |
| インド | 2.2% | – | – |
| スイス | 2.1% | – | – |
| 台湾 | 1.9% | – | – |
VTは米国の比率が約6割であるのに対し、VTIは米国が100%です。
組入銘柄
組入上位10銘柄は以下のとおり。
| VT | VTI | ||
|---|---|---|---|
| アップル | 3.8% | エヌビディア | 6.5% |
| マイクロソフト | 3.2% | マイクロソフト | 6.1% |
| エヌビディア | 2.9% | アップル | 5.6% |
| アマゾン | 2.1% | アマゾン | 3.5% |
| メタ・プラットフォームズ | 1.5% | メタ・プラットフォームズ | 2.6% |
| アルファベット A | 1.1% | ブロードコム | 2.3% |
| バークシャー・ハサウェイ | 1.0% | アルファベット A | 2.0% |
| ブロードコム | 0.9% | アルファベット C | 1.6% |
| アルファベット C | 0.9% | テスラ | 1.5% |
| テスラ | 0.8% | バークシャー・ハサウェイ | 1.4% |
比率は異なりますが、銘柄はほぼ同じです。
リターン
| VT | VTI | |
| 2015年 | -1.79% | 0.37% |
| 2016年 | 8.47% | 12.74% |
| 2017年 | 24.49% | 21.17% |
| 2018年 | -9.79% | -5.20% |
| 2019年 | 26.93% | 30.80% |
| 2020年 | 16.65% | 21.05% |
| 2021年 | 18.24% | 25.64% |
| 2022年 | -18.02% | -19.51% |
| 2023年 | 22.04% | 26.11% |
| 平均 | 9.69% | 12.57% |
リターンとは?
リターンとは、ある期間における増減率を示す指標です。
年リターンが3%であれば1年間で3%増加、年利リターンが-3%であれば3%減少したという意味です。
リターンはVTIの方が高いです。
分配利回り
直近の分配利回りは以下のとおり。



投資信託やETFからの配当金は分配金と呼ばれます。
| VT | VTI |
| 1.37 | 1.10% |
分配利回りはVTの方が高いです。
手数料
| VT | VTI | |
| 購入時手数料 | 買付手数料が発生(証券会社によっては無料) | 買付手数料が発生(証券会社によっては無料) |
| 信託財産留保額 | なし | なし |
| 信託報酬 | 0.06% | 0.03% |
| その他 | ||
| 実質コスト | 0.06% + 買付手数料 | 0.03% + 買付手数料 |
各手数料の詳細
【購入時手数料】
購入時手数料は、投資信託を購入する際に発生する手数料です。
この手数料は購入時に一括で支払うもので、販売会社によって設定された割合に基づいて計算されます。
購入時手数料は一般的にパーセンテージで表され、最近ではノーロードと呼ばれる購入時手数料が無料の投資信託も増えています。
【信託財産留保額】
信託財産保留額は、途中で投資信託を抜ける解約料のようなものです。
たとえば信託財産保留額0.3%の投資信託を1万円で売却したら、30円が差し引かれて9,970円が戻ってきます。
【信託報酬】
信託報酬は毎日発生し、投資信託の純資産から日割りで引かれる形になります。
例えば、信託報酬が年率1%の投資信託に10万円投資したら、信託報酬は以下のようになります。
【信託報酬が年率1%の投資信託に10万円投資した場合】
- 1年間で発生する信託報酬:約1,100円(10万円×1.0%+消費税)
- 毎日発生する信託報酬:約3円(1,100÷365+消費税)



この額が純資産から差し引かれます。
なお、信託報酬は自動的に差し引かれるため、投資家が直接支払うことはありません。
【その他】
購入時手数料や信託財産留保額、信託報酬以外の費用は「その他」に分類されます。



その他の費用は一定ではなく、時期や運用状況、市場の動向によって変動します。
また、その他の費用は「隠れコスト」とも呼ばれ、通常の購入時手数料や信託報酬とは異なり、表立って見えないことが多いです。
そのため、交付目論見書や交付運用報告書といった公式な書類を確認しなければ詳細を把握できない場合があります。
手数料はVTIの方が低いです。
VTとVTIどっち?
VTがおすすめ
どっちかで迷ったらVTをおすすめします。



VTをおすすめする理由は以下の3つ。
- 全世界に投資できる
- 伸びる国を予想しなくて良い
- リターンが高水準
①全世界に投資できる
VTは、全世界の47ヵ国にわたる約9,000銘柄で構成されている、非常に分散の効いたETFです。
現在の構成比を見ると、米国株が全体の約6割を占めており、先進国全体では約9割に達しています。
新興国の比率はまだ小さいものの、今後これらの国々の経済が成長すれば、その割合が徐々に高まっていきます。
②伸びる国を予想しなくて良い
以下のグラフは世界の株式市場の国別割合を示したものです。


1980年代には日本の株式が非常に好調でしたが、1990年代、2010年代には米国の株式市場が大きな割合を占めるようになりました。
このように、時代ごとに株式市場で主導的な役割を果たす国は変化しており、どの国が次に成長するかを予測するのは非常に難しいです。
VTは、時価総額加重平均を採用しており、時価総額が大きい企業が多い国や地域ほど組み入れ比率が高くなります。
この仕組みにより、オルカンだけで様々な国や地域の成長を取り込めるため、どの国が伸びるかを予想する手間が省けます。



時代ごとに変化する株式市場の動向を予測する負担を軽減できる点が、VTの大きなメリットの1つと言えるでしょう。
③リターンが高水準
リターンとは、ある期間における増減率を示す指標のことで、年リターンが3%であれば1年間で3%増加、年利リターンが-3%であれば3%減少したという意味です。



オルカンのリターンは以下のとおり。
【VTのリターン】
- 2015年:-1.79%
- 2016年:8.47%
- 2017年:24.49%
- 2018年:-9.79%
- 2019年:26.93%
- 2020年:16.65%
- 2021年:18.24%
- 2022年:-18.02%
- 2023年:22.04%
- 平均:9.69%
VTの平均リターンは8〜10%であり、過去の実績を基にすると、毎年平均して8〜10%程度の成長が期待できるでしょう。
ただ、リターンは一定ではなく、市場が低迷した年にはマイナスとなる場合もあり、元本割れのリスクは常に存在します。
米国株を信じているならVTI
ただ、米国株の成長やイノベーションを信じているならVTIが良いでしょう。
| VT | VTI | |
| 投資対象 | 全世界(先進国・新興国含む)約50カ国 | 米国500社 |
| 分散効果 | 世界中に分散 → 国ごとのリスクを低減 | 米国に集中 → 米国が成長すれば強いが、米国不調なら打撃 |
| リターン期待 | 世界平均 → 長期的に安定 | 米国は成長力が高く、過去20年はオルカンを上回る傾向 |
| リスク(変動幅) | やや低め(分散効果) | 高め(米国集中) |
| 為替の影響 | 多通貨分散 | 米ドル集中 |
| 精神的な安心感 | 世界経済全体に乗る → 放置しやすい | 米国一本勝負なので「米国が落ちたら…」という不安も |
VTIはVTを上回るリターンを示してきたことに加え、米国企業は研究開発に多額の費用を費やしています。
以下のグラフは、企業の営業利益に対する設備投資および研究開発投資の比率を日本と米国で比較したものです。


営業利益に対する設備投資および研究開発投資の比率が日本と比べて高いことに加え、年々増加傾向にあることが分かります。
米国企業は利益の多くを研究開発や設備投資に費やしており、新しいイノベーションや技術革新に取り組む姿勢が顕著です。
過去の実績を踏まえると、今後も米国株の成長やイノベーションを信じているなら、S&P500を選ぶのも選択肢の1つです。
両方に投資するのもあり
以下の場合は、両方に投資するのもおすすめです。
- どちらか一方を選べない
- 心理的な不安を減らしたい
- 米国株の比率を高めたい
それぞれに異なる魅力があるため、組み合わせることでお互いの特性を補完し、よりバランスの取れた投資が可能になります。
また、両方に投資することで、どちらか一方だけを持っている場合に感じるかもしれない心理的な不安を減らせます。
投資信託・ETFの買い方
投資信託・ETFの買い方は以下のとおり。
- 証券口座を開設する
- 投資信託・ETFを購入する
①証券口座を開設する
投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。



クレジットカードで積立するとポイントが還元されます。
②投資信託・ETFを購入する
投資信託の購入方法
証券口座を開設したら投資信託を積立購入します。
つみたて投資枠、成長投資枠とは?
新NISAでは、年間投資枠120万円の「つみたて投資枠」と年間投資枠240万円の「成長投資枠」が設けられています。
つみたて投資枠ではつみたて投資のみ行えますが、成長投資枠では一括投資とつみたて投資の両方が可能です。
そのため、つみたて投資に年間最大360万円あてることもできます。
なお、新NISAにおける非課税保有限度枠は1,800万円であり、最短5年で全ての枠を埋められます。
ETFの購入方法
証券口座を開設したらETFを購入します。
ETFの注文方法は個別銘柄と同じですが、海外ETFに関しては「外国株式取引口座」の開設が必要な証券会社もあるので、国内ETFと海外ETFに分けて紹介します。



外国株式取引口座とは、外国株式や外国投資信託等を売買する際に開設が必要な口座のことです。
【国内ETF】
- SBI証券:「Webページにアクセス」→「国内株式」→「ETF・ETN」
- 楽天証券:「Webページにアクセス」→「国内株式」
- マネックス証券:「Webページにアクセス」→「商品・サービス」→「株式取引」
- 三菱UFJ eスマート証券:「Webページにアクセス」→「お取引」→「現物株式」
【海外ETF】
- SBI証券:「Webページにアクセス」→「外国株式・海外ETF」→「海外ETF」
- 楽天証券:「Webページにアクセス」→「外国株式」→「海外ETF」
- マネックス証券:「Webページにアクセス」→「商品・サービス」→「外国株」
- 三菱UFJ eスマート証券:「Webページにアクセス」→「お取引」→「外国株式」
なお、米国ETFなどの海外ETFの購入方法として、「円貨決済」と「外貨決済」の2種類があり、外貨決済の方が低コストなので、外貨決済を選ぶと良いでしょう。
VT・VTIに関するQ&A


VTとVTIは米国ETF?
VTとVTIは、いずれも米国で運用されている米国ETFです。
どちらも米国の投資会社であるバンガード社が提供しており、世界中の投資家から高い人気を集めています。



日本からも証券会社を通じて購入することができるため、個人投資家にとって身近な海外ETFといえます。
VTと楽天VTは何が違うの?
VTと楽天VTの中身は同じです。



ただ、楽天VTには以下のようなメリットがあります。
【楽天VTのメリット】
- 円で購入できる
- 少額から購入できる
まず、円でそのまま購入できるため、VTのようにドルへ両替する手間がかかりません。
さらに、100円程度の少額から投資できるので、初心者でも気軽に始めやすい点が魅力です。
ただ、楽天VTでは、分配金が自動的に再投資される仕組みになっており、VTのように現金として受け取ることはできません。
VTIと楽天VTIは何が違うの?
先ほどと同様に、楽天VTIには
- 円で購入できる
- 少額から購入できる
というメリットがあります。



分配金に関しても、楽天VTIでは基本的に分配金を支払いません。
まとめ
今回はVTとVTIの違いやどっちに投資すべきかについて解説しました。
どっちかで迷ったらVTをおすすめします。
長期的な視点で見ると、どの国の株式が好調になるかは時期によって異なり、例えば1980年代は日本、2010年代は米国の株式が大きく伸びました。
しかし、未来にどの国が経済成長を遂げるかを予測するのは難しいため、グローバル分散投資がリスク管理に役立つと言えます。
VTは時価総額加重平均を用いた投資信託であるため、企業の時価総額が大きいほどその組入比率が高くなります。
これにより、成長した国や企業は自然と組入比率が増加し、個別の国や企業の成長を予測する手間を省くことが可能です。
現在は米国が全体約6割を占め、新興国が10%前後といった構成ですが、今後もし新興国が急成長すれば、この比率は大きく変動します。
このように、VTは国際分散投資の観点で魅力的な選択肢であり、リスクを抑えながら成長する可能性のある市場へ自動的に対応することが可能です。
なお、VTやVTIに投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を解説していない方はこれを機に開設しておきましょう。
| 証券会社 | 特徴 |
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